ロランバルト「テキスト理論の愉しみ」

図書館で人文書をよく手にする。今まだにヴィトゲンシュタインとかニーチェになってくると訳がわからない。 フーコーや初期のドゥルーズとなると特に手におえない。ドラッカーとか、何とか大学の正義の講義って奴が薄っぺらく見えて、逆におもしろい。自分は哲学という内容よりも彼らがどんなひとで、なぜこんな事を考えるのかというほうが興味がある。発見だったのは(早く気づけよ)彼らのインタビューを読んだ方が、より具体的にそのことをつかめることだった。

ロランバルト著作選というのが、図書館に新装版(買うと5千円)で並べてあって、その中の「テキスト理論の愉しみ」というのがあり、これは特におもしろい。(1960年代からこんなこと思っていたなんて信じられない)ロランバルトの本は20年前に挑戦したのだけれど中途半端(難しくて)に理解しているように思える。印象的なのは、日本のてんぷらの食べ方を記号論で書いて行くくだりがあるのだが、なんでこんな事と思うくらい変わった人だなという印象があった。今回あらためて彼らしさを実感した。ちなみにノマド遊牧民)という概念をよく使っているのにもちょっとビックリした。インタビュー中心なので、とてもわかりやすい。興味のあるかたにはおすすめ。

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